あごや顔がしびれる

疾患・病状ガイド

あごや顔がしびれる

ページ内のコンテンツ一覧

ページ内のコンテンツ一覧

神経麻痺(しんけいまひ)

こんな症状があります

唇や舌、顔の皮膚などが痺れて、感覚がなくなったり、感じにくいといった症状が出ます。また、筋肉の動きを司る神経が麻痺すると、動かない、動かしにくいといった症状が出ます。舌で感じる味を司る神経が麻痺をすると、当然味を感じなくなります。

こういった病気です

神経は、脳や脊髄といった中枢から、各器官(末梢)に向けて枝分かれしています。枝に向かう途中が障害を受けると、そこから末梢の感覚(触覚・味覚など)は中枢には通じなくなります。原因としては、脳梗塞などの病気、ケガ、炎症、腫瘍、ウイルス感染、歯科治療・手術による影響が考えられます。
まずは症状、既往の確認や感覚の低下している範囲の確認、画像検査による原因の探索を行います。

治療法

麻痺を起こした原因により対応が異なります。

骨髄炎(こつずいえん)

こんな症状があります

あごの強い痛みを生じ、時として、歯ぐきから膿がでたり、ほほやあごの下が腫れることがあります。また、下あごに生じると、唇の痺れを生じることもあります。さらに、歯ぐきから骨が見えるという症状が出ることがあります。

こういった病気です

歯(深いむし歯や根尖性歯周炎)や歯ぐき(歯周炎)、抜歯後の治癒がうまくいかないことによって、あごの骨の中にばい菌が侵入し、骨の中で炎症をきたした状態です。とくに骨の代謝に関わる薬(ビスフォスフォネートなど)を利用している方に多く見られます。
この病気はゆっくり進むため、症状や画像検査から病状を確かめながら治療が進められます。

治療法

ばい菌による感染が原因なので、抗生剤などのお薬による治療や局所の洗浄を行います。また、腐ってしまった範囲を切り取るといった外科的な治療が行われることもあります。。

口腔癌(こうくうがん)

こんな症状があります

歯ぐきや舌などが膨れ、凹凸不整状に盛り上がってきます。見た目は白い膜が付いているように見えることや「おでき」のように見えること、肉がえぐれたように見えることなど様々なパターンがあります。また、がんの特性として、短期間に大きくなるという特徴があります。症状としては、出血しやすく、ヒリヒリなどの痛みや、舌を動かしにくい、といった症状に加え、大きくなると唇のしびれ(歯肉がん)、あごの下や首が腫れてくるといった症状が出てきます。

こういった病気です

全ての細胞は、規則的に増え、その数もコントロールされており、各組織ごとにその機能を営みます。しかし、細胞ががん化すると、細胞の数のコントロールができなくなり、無限に増殖します。そしてがん細胞が増えてくると、体の栄養を吸い取り、全身の衰弱をきたし、やがて死に至ります。健康な方でも、毎日たくさんのがん細胞が体の中に発生しますが、免疫を司る細胞によってそれらは破壊されます。しかし、ごくまれにそれらが生き残ることがあり、それががんの始まりです。初期には、がんは、その臓器(口腔癌では口の中の粘膜)で成長しますが、大きくなってくると、「転移」を起こし、他の臓器で成長することもあります。口腔癌の発生に関連するものとしては、タバコ、アルコールのほか、粘膜に頻回に生じた傷(むし歯や歯の治療によってできた尖った個所で何度も噛んでしまうため)などが知られています。
がんかどうかを確かめる方法は、病変部の粘膜細胞を拭いとり細胞の悪性度を検査します。また、血液検査やCT、MRI、PET-CTなどのたくさんの画像検査を行い病気の範囲や転移がないかを確かめます。さらに病気の範囲を一部切り取り、顕微鏡で細胞の性質や出自を調べます。。

治療法

基本的には、外科的に切除する必要があります。病状やお体の状況に合わせ、放射線治療や抗がん剤を併用した治療も行うことがあります。また、切除範囲が大きい場合は、咀嚼や発音などの機能的回復や見た目の回復のための手術が必要になることがあります。