歯周病科

診療科について

診療科長挨拶

歯周病は国民の約7割が罹患しているといわれている国民病です。また、歯周病は症状がなく、知らない間に歯を抜かなければならないような状態に進行してしまいます。歯を失う原因の1位は歯周病です。この歯周病の最も大きな原因はお口のなかの汚れ(細菌の塊)です。最近は全身の病気(糖尿病・心筋梗塞・肺炎)や喫煙、ストレスなどとも関係が深いこともわかってきています。つまり、歯周病は複数の原因から発症するため、患者様の個々の状態によって治療の内容が異なります。また、治療には根気が必要で長い期間かかります。当科では担当医と指導医で一人の患者様を担当し、患者様と十分に相談しながら最適な治療内容や治療順序を提案します。さらに、治療が終了した後も、回復した状態が長く維持できるように定期検診を実施しています。永い間のかかりつけの歯科医として患者様に寄り添った診療を心掛けてまいります。

診療科長
佐藤 秀一

主な対象疾患

歯周病

  • 歯肉炎
    歯周病原細菌が歯肉溝に侵入すると歯肉に炎症を起こし、赤く腫れ出血します。この状態で治療をすると健康な状態に回復させることが可能です。
  • 歯周炎
     歯肉炎の炎症がさらに進行すると歯周炎になります。歯周炎は歯と歯肉の隙間がさらに深くなり歯周ポケットを形成します。そして歯を支えているあごの骨が溶けてしまいます。また、歯周炎は糖尿病などの全身疾患とも関連が深いことがわかってきています。重症な歯周炎になると治療が難しく、完全にもとに戻すことは困難になりますので早く治療することが重要です。
  • 侵襲性歯周炎
    10代~20代の若い人で発症する急速に進行する歯周炎です。病状が急速に進むため、多くの歯を失ってしまうことがあります。

学会の研修施設

当診療科は日本歯周病学会認定の研修施設です。また、講座では日本歯周病学会で公認の研修会を毎月2回行っています。これには医局員・歯科衛生士・当講座OB、聴講生の先生など約40-50名が参加しています。研修会では最新の海外論文を紹介し、論文の内容について検討しています。また、日本歯周病学会の認定医・専門医・指導医を取得する為の症例報告会も行っています。最近、研修会ではウェブを用いて海外の臨床家や研究者の講演を行ってもらうこともあり、歯周病学についてグローバルな視点を養えるようにしています。

診療内容

代表的な治療の流れ

 歯周病の治療は、まず歯周病の状態を詳しく検査することから始まります。検査ではお口の中全体のレントゲン写真も撮ります。そして、歯周病の状態を十分に把握し、その状況に応じた治療の計画を提示します。治療は初め歯周基本治療といって、お口の中の汚れをできるだけ取り除くことから始まります。これには個々で行う、歯磨きも重要な治療の一つになります。その後、再度の検査(再評価)を行い、改善が十分でない部位には外科治療を行うことがあります。外科治療では歯ぐきを再生させるための、再生療法などを行い歯ぐきを回復させます。その結果を再評価し、入れ歯や冠などを入れる、口腔機能回復治療に移ります。そして、回復した歯ぐきの健康を維持するためのSPTまたはメインテナンス治療を行います。SPTやメインテンスは3~4か月に一度の間隔で行います。歯周病の治療は長期間かかるので根気も必要です。

リスク・費用

治療のリスク

  • 歯周病を治療し歯肉の炎症が改善すると、歯肉が下がり歯根が露出することがあります。すると「冷たいものでしみる」知覚過敏症状が生じることがあります。このような状態は治療を続けることで改善していきます。治療には根気が必要です。
  • 最先端の治療である再生療法には適切な症例があります。したがって、全ての患者様で適応できるわけではありません。詳しくは担当医と十分にご相談下さい。
  • 歯周病の治療は長い期間(半年~1年以上)かかります。また、一度よくなった部位が再発することもよくあります。そのため、継続した治療を根気よく長期間行うことが必要となります。

治療費

  • 歯周病の検査や治療は基本的にほとんど保険治療で行うことができます。しかし、特殊な検査や手術、歯の詰め物や被せ物などは種類によって、保険外診療となります。とくに、再生療法の中には保健適応に含まれない治療法もありますので、担当医とよく御相談下さい。

保険外診療の費用の詳細はこちらをご確認ください。

スタッフ紹介

  • 佐藤 秀一さとう しゅういち

    役職 病院長・診療科長(歯周病科・先進医療診療科・顎顔面補綴科)・教授
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

    日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医

    日本歯周病学会認定 指導医

    日本歯科保存学会認定 専門医・指導医

    佐藤 秀一
  • 吉沼 直人よしぬま なおと

    役職 診療教授・准教授
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

    日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医

    日本歯周病学会認定 指導医

    日本歯科保存学会認定 専門医・指導医

  • 菅野 直之すがの なおゆき

    役職 准教授
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

    日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医

    日本歯周病学会認定 指導医

    日本歯科保存学会認定 専門医・指導医

  • 髙山 忠裕たかやま ただひろ

    役職 准教授
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

    日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医

    日本歯周病学会認定 指導医

    日本歯科保存学会認定 認定医

  • 蓮池 聡はすいけ あきら

    役職 専任講師
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

    日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医

    日本歯科保存学会認定 認定医

  • 間中 総一郎まなか そういちろう

    役職 医局長(歯周病科)・助教
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

    日本歯周病学会認定 認定医

    日本歯科保存学会認定 認定医

  • 酒井 嶺さかい りょう

    役職 助教
    資格

    歯科医師

    博士(歯学)

外来担当医表

各診療科にお尋ねください。

医療関係者の方へ

主な対象疾患

歯周病

  • 歯肉炎
    歯周病原細菌が歯肉溝に侵入し、歯ぐきに炎症を起こし、発赤・腫脹・出血するようになります。この状態で治療をすると健康な状態に回復可能です。
  • 歯周炎
    歯肉炎の炎症がさらに進行すると歯周炎になります。歯周炎では歯周ポケットが形成され、歯を支持している歯槽骨が吸収します。また、近年では歯周炎は糖尿病、心臓病、肺炎、低体重児出産など全身疾患との関連が報告されています。                                                   
  • 侵襲性歯周炎
    10代~20代の若年者で発症する急速に進行する歯周炎です。重症度が高くなることが特徴です。 

紹介の流れ

患者様に日本大学歯学部付属歯科病院歯周病科宛ての紹介状を持参させて受診させて下さい。宛先は担当医が決まっている場合は担当医あてに、決まっていない場合は歯周病科御中でお願いいたします。