岡田 明子

ドクターインタビュー

岡田 明子

診療科について

ペインクリニック科ではどういった診療を行っていますか

ペインクリニック科では、色々な原因によって生じる口腔顔面領域の痛みや痺れ、麻痺症状の診断と治療を行います。近年、歯が原因でないのに歯が痛くなる様々な疾患があることがわかってきています。また難治性の口腔顔面痛に対する新たな治療法が開発される様になりました。当科では、原因不明や難治性の口腔顔面領域の痛みや麻痺、痺れなどの症状を総合的に診断し、治療していきます。治療では主に薬物療法を用いますが、必要に応じて神経ブロックや認知行動療法などを用いることもあります。

神経障害性疼痛という病気について教えてください

神経障害性疼痛は神経自体の障害により生じる痛みです。口腔顔面領域の神経痛である三叉神経痛や帯状疱疹による痛みなどがあります。他にも、抜歯や歯の根の治療によって神経に障害が生じることもあります。神経障害性疼痛は見た目では何もなく、レントゲン検査などでも異常は認められないため、診断に苦慮する疾患の一つです。すぐに治る疾患ではありませんが、近年様々な治療薬がでてきており、各種治療ガイドラインに則って治療を進めていくことができます。

診療について

今の仕事のどういったところ(またはどういったときに)にやりがいを感じますか?

ペインクリニック科では、長年お痛みに苦しんでこられた患者さんが来院されることも多いです。その様な患者さんの今まで分からなかった痛みの原因が判明したり、痛みがなくなったり、うまくコントロールできる様になったりして、患者さんに喜んでいただける時が一番やりがいを感じます。また、原因が分からなかったり、治療法がない痛みを呈する疾患はまだまだ数多くあり、それらの解明を目指した基礎研究にもやりがいを感じています。

経緯について

この専門分野を志した理由を教えてください

歯学部を卒業した頃は、口腔内だけでなく患者さんの全身を管理できる歯科麻酔科に興味を持ち、歯科麻酔科に所属しました。歯科麻酔科では全身管理やペインクリニックを学びました。歯科麻酔認定医を取得して一段落したときに、基礎研究に興味を持つようになり、大学院に進学しました。大学院では生理学教室で麻酔関連領域として「痛み」の研究に従事することとなり、その研究の中で、臨床における「痛み」の治療にも興味を持ち、ペインクリニック科を専門することに至りました。

まとめ

この病院の好きなところを教えてください

まず、病院は立て替えられたばかりで、とても綺麗なところが好きです。先端治療を行う設備も充実しており、大学病院ならではの治療を患者さんに提供できます。また、ペインクリニック科は他の専門診療科との連携が必要となることが多いですが、当院には各種の専門医が揃っており、安心して患者さんを紹介したり、連携できるところも好きです。優しくてフレンドリーな先生方が多く、皆患者さんのために一生懸命に診療に従事されています。

患者さんへのメッセージをお願いします

ペインクリニック科は痛みやしびれの診断、治療を行うところです。口腔顔面領域は食事や会話などで常に使用する場所であるため、痛みやしびれは日常生活に大きな支障をきたします。しかし、その原因は複雑であるケースも多く、専門的な診断と治療が必要となります。当科では、患者さん一人一人に時間をかけて丁寧な問診を心がけています。当科の医局員は常に学会や研修会で研鑽し、新しい口腔顔面領域のペインクリニックの知識や技術を学び、真摯に治療にあたっております。

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